医療Q&A

高血圧の薬は、一度飲み始めると一生止められませんか。

生活習慣の改善(食事をうす味にする、適度に運動する、禁煙、禁酒、十分な睡眠など)により、高血圧は改善し、様々な報告がありますが、5人に1人くらいは止められると言われています。高血圧はサイレントキラー(沈黙の殺し屋)と呼ばれていて、高血圧のみでは症状はあまり出ないのですが、放置すると動脈硬化が進み、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、腎機能の悪化をもたらし、生活の質を落とします。医師と相談し、生活習慣の改善と合わせて適切な降圧剤を内服することが、健康で長生きするために重要です。当院では、それぞれの病態に応じた、適切な降圧剤を処方しています。

尿酸値が高いのですが、なにも症状はありません。治療の必要はありますか。

尿酸値が7.0mg/dlを超える高尿酸血症患者のうち、痛風発作を起こすのは約1割で、残り9割は無症状といわれています。しかし、痛風以上に心配なことは、尿酸値が高いと血管が傷つき、脳梗塞、心筋梗塞、腎機能の悪化をもたらし、生活の質を落とします。また、高血圧、脂質異常症、肥満、糖尿病の発症リスクになります。尿酸値改善のためは、尿酸値を下げるお薬の内服とともに、プリン体の多い食品(肉類、レバー、魚介類など)を控えること、十分な水分摂取、アルコール(特にビール)の制限、かるい有酸素運動が有効です。医師と相談し、生活習慣の改善と合わせて適切な尿酸値を下げるお薬を内服することが大切です。

健診でコレステロールが高いと、言われましたが特に症状はありません。治療の必要はありますか。

コレステロール値が高いこと自体では、多くの場合症状はありません。しかし、その状態が続くと動脈硬化症となり、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、脳出血などの合併症を生じるリスクが高くなり、生活の質を落とします。高コレステロール血症の治療としては、食事療法、運動療法、薬物療法があります。中性脂肪(トリグリセライド)値が高い場合や、HDLコレステロール値(善玉コレステロール)が低い場合は、食事療法、運動療法である程度の改善が期待できることがありますが、それで十分でない場合には薬物療法が必要となります。一方、LDLコレステロール値(悪玉コレステロール)が高い場合は、コレステロールは食事から体に取り込まれる以外に、肝臓など体内で合成されることも多いため、食事療法で改善しないことも多く、薬物療法が必要になります。‘コレステロールの薬は一度飲むとやめられないので‘と心配される方も多いですが、薬の中毒になってしまうわけではなく、薬をやめると、コレステロール値がまた高くなってしまうことが多いので、継続して内服して頂くことが多いです。生活習慣の見直しにより、コレステロール値が改善すれば、処方薬の変更、減量、終了も可能です。当院では、それぞれの病態に応じて、適切な内服薬を処方していますので、診察時にご相談下さい。

健診で血糖値が高いと言われました。なぜ血糖値をコントロールする必要がありますか?糖尿病の治療の目的はなんですか?

糖尿病は慢性的に血糖値が高い病気です。慢性的に血糖値が高いと、糖尿病の合併症によって生活の質が低下し、健康寿命が短くなります。糖尿病の合併症として、①糖尿病性神経障害(高血糖により、手足の神経に異常をきたし、足の先や裏、手の指に痛みやしびれなどの感覚異常があらわれる合併症です。)、②糖尿病性網膜症(高血糖により、眼の網膜にある非常に細い血管がむしばまれていく合併症です。進行してしまうと失明に至ります。糖尿病性網膜症は、自覚症状がないまま進行していきますので、早期発見と進行予防・治療のために、年に1回以上眼底検査を行うことが必要です。)、③糖尿病性腎症(高血糖により、腎臓にある非常に細い血管がむしばまれていく合併症です。進行すると、老廃物を尿として排泄する腎臓の機能が失われてしまうため、最終的に透析治療を要することになります。この合併症も自覚症状がないまま進行していきますので、早期発見のためには、定期的に腎臓の機能を検査する必要があります。)、④動脈硬化(糖尿病は動脈硬化の原因となり、心筋梗塞や脳卒中を引き起こします。特に、食後の高血糖が動脈硬化を進行させることが知られています。)があります。糖尿病があっても、血糖をコントロールし、糖尿病がない人と同じ健康寿命を保つことが、糖尿病治療の目的です。

糖尿病と言われています。具体的には、どうやって血糖値をコントロールするのですか?

治療は基本的に食事療法、運動療法、薬物療法の3つを組み合わせて行われます。まずは食事療法と運動療法、生活習慣の改善を行います。それでも目指すべき血糖の目標に達しないときには、内服薬や注射薬による治療が行われます。薬による治療を始めた後も、食事療法や運動療法は続けていきます。食事療法や運動療法をやめてしまうと、肥満が進んでしまったり、インスリンの働きが悪くなったりして、治療の効果が弱まってしまいます。

糖尿病ですが、血糖コントロールの効果はどうやって分りますか?治療の目標は?

血液検査で血糖値やHbA1c(過去1~2か月間の血糖値の平均値を表します。)などを測定して、治療効果を測定します。治療の目標は、年齢、罹病期間、合併症の有無、低血糖の危険性、周囲のサポート体制などを考量して、個別に考える必要がありますが、糖尿病の合併症をおこさない、または悪くしないためには、HbA1cを7.0%未満にしておくのがいいと言われていますが、低血糖などの副作用、その他の理由で治療の強化が難しい場合は、8.0%未満を目標とすることがあります。実際には、一人一人からだの状態や治療内容が違うため、目標値はその方に合わせたものを考えていく必要があります。ご年配の方や、合併症が進んでいる方では、血糖コントロールの目標を少し緩やかにした方がよく、若い方や妊娠中の方はより厳しくコントロールする必要があります。当院では、それぞれの病態に応じた、適切なお薬を処方し、血糖コントロールを行っています。

糖尿病ですが、禁煙したほうがいいですか?

糖尿病の方はぜひ禁煙して下さい。タバコを吸うと血管がかたくなったり、狭くなったりする動脈硬化がすすみます。動脈硬化は、糖尿病の合併症である、心筋梗塞、脳梗塞、末梢の血流障害、腎臓の障害を進行させます。

いびきをかいていると言われます。心配ないですか?

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)の可能性があります。睡眠時無呼吸症候群とは眠っている間に呼吸が止まる病気です。きちんと睡眠を取れていないことなどにより、体がじわじわと侵され、高血圧症や心疾患など生活習慣病になったり、昼間の眠気により、労働災害や交通事故を起こしたりします。睡眠時無呼吸症候群の方は、健康な方と比較して高血圧を発症する割合は2倍、狭心症・心筋梗塞は3倍、脳血管障害は4倍、糖尿病は1.5倍になると言われています。また、高脂血症・高尿酸血症の合併も多いことが分ってきています。アメリカでは、睡眠1時間あたり20回以上無呼吸がある方は無治療のまま放置すると、9年後には10人のうち4人は心臓病・脳血管障害・交通事故などで亡くなっていたという報告もあります。 降圧薬を内服しても血圧が下がらない、いびきをかいている、日中の眠気、睡眠中の無呼吸、起床時の頭痛、口の渇き、熟眠感がない、集中力の低下、朝方の胸やけ、夜間寝苦しくて目が覚める、睡眠中の体動が多い、夜間頻回にトイレに起きる等の症状がある方は、睡眠時無呼吸症候の可能性があります。当院では、簡易型終夜睡眠時ポリグラフィーの検査を行っています。検査機器を貸出し、ご自宅で検査して頂けます。診察時にご相談下さい。

順次更新予定です。

津市にて内科・消化器内科・循環器内科・呼吸器内科を診療する「あらき内科クリニック」をご案内します。

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